著書のご紹介(1)


 

「環境化学計測学」

堀 雅宏著: 環境化学計測学 
共立出版
2006.3.25 刊行
260ページ 
3700円
ご購入はこちら: http://www.kyoritsu-pub.co.jp/shinkan/shin0603_09.html

◆正誤表

地球上のすべての営み、とくに生産と消費の行為はどれも環境問題と深い関わりを持ち、また今日は、どのような職業分野あるいは専門領域からもその環境問題の解決にアプローチできる時代である。1993年のリオデジャネイロ宣言における“持続可能な開発“や”共生社会“の理念は、環境問題に関心を持つもの誰もの合い言葉であるが、これをどのように達成するのかが重要な課題となっている。そして、これらの理念達成のためには、まず環境の置かれた現状を可能な限り正確に把握することが不可欠である。

 環境の状態を人や生態系に対する“リスク”で表記するのがトレンドになっているが、このリスクは曝露濃度の測定データなしには求めることはできない。また、生態系の変動は調査によって把握できようが、その変化の原因を化学物質に求めるならば、その環境濃度の測定データが必要である。例えば、人間の五感で把握できる環境因子の一つである臭気は影響に個人差があるので、客観的に表示するためには化学的測定に頼らざるを得ない。発生源の制御や環境浄化対策の三条件は環境負荷低減効果・操作性・経済性であるが、これを満たすためにもエネルギーなどの計測と併せて化学計測は必須である。また、ある汚染源において法的規制の遵守如何の判断は、化学的測定データからのみ可能である。

 ところで、今日では個々の測定方法や機器に関しては、日本工業規格や省庁の測定指針をはじめ、およそ化学環境に関係するほとんどの学協会から刊行されている書物やマニュアルに詳しい*。しかし、その方法がどのような考えで構築されているのかという測定の理念や複数の測定方法からひとつを選ぶ場合の選択指針を述べたものは意外に少なく、また、環境測定の体系の全体を概観し、相互関係に踏み込んだものはおよそ見当たらないのが現状である。

 本著は、著者の永年にわたる“環境化学計測”に関わる研究と講義・講演の資料をもとに編まれたものであるが、これから環境分野に入ろうとしている方、環境測定計画を立てようとしている方、測定を始めて具体的な問題で困っている方などを思い浮かべながら筆を進めた。また本著は大学院で環境関連専攻のテキストにすることも意図したが、化学的な基礎知識があれば、学部の環境関連学科や環境教育関係でも使えるものである。 著者は、本著が環境の現場で実際の測定に当たっておられる方々、環境測定の計画や環境測定機器の開発やメンテナンスに当たっておられる方々の役に立つことを願っている。

平成18年1月     著 者

 


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